しかし、大道芸WCの思わぬプレゼントは他にもある。積極的な市民参加が図られたことにより、大道芸のファン層を広げたばかりか、現在では運営の一部分を、市民ボランティアの企画により行っている。そもそも大道芸WCの実行委員会は、市民により組織されており、大会全体の企画運営に当たっているが、その活動を支える市民ボランティア層が、回を重ねる毎に充実しているのだ。
その原動力の一つとして、「静岡大道芸カレッジ」の開催がある。これは、市民クラウン(道化師、CLOWN)を育て、大会期間中の会場の盛り上げに、一役買ってもらおうと企画された。クラウンの基本は、「人々に惜しみない愛情を捧げること」だ。『ALL FOR YOU, IT'S MY PLEASURE!』が、合い言葉である。日本で道化師というと、白塗りの化粧に哀愁を帯びたマイムがお決まりだが、欧米のクラウンは陽気で明るい。決して物事に対して否定的・悲観的な態度はとらずに、いつも、ポジティブにコミカルに対応していく。元気のかたまりである。
現在は1期生・2期生合わせて、約80人の市民クラウンが誕生しており、今後も増えて行くだろう。ひとつのまちに80人もの元気で明るいホストがいるなんて、本当にすてきなことだと思う。この市民クラウンの存在は、静岡市の大きな財産である。私は、このクラウンのコンセプトは、これからの、まちづくりのキーワードになるのではないかと思っている。まちづくりにおける「こころ」の豊かさとは、そういうことだ。