第7節 ローカル空港新時代
1.始動ローカル空港
ローカル空港が力強い動きを見せ始めた。11月29日に閣議決定を見た、第6次空港整備5箇年計画でも、新設される空港としてわが県の静岡空港をはじめ、大館能代(秋田県)、琵琶湖(滋賀県)、神戸(兵庫県)、新北九州(福岡県)、新石垣(沖縄県)、小笠原(東京都)などが組み入れられた。
今後、建設に至るまでには、なお紆余曲折が予想されるが、いずれにしても「第4次全国総合開発計画」が想定した、全国1日交流圏も、近い将来実現されると考えられる。
高速道路も着々と建設されているところであり、環境問題や過疎化に対して懸念が残るものの、交流ネットワークの拡大は、我々の生活や産業、それに価値観を大きく変化させるだろう。
そこで今回は、未来の地方空港の姿を予見させる、岡山空港を取り上げ、高速ネットワークの急速な進展に対応した、ライフスタイルや産業のあり方を考えてみよう。
2.ローカル空港から国際空港へ
岡山に空港が誕生したのは、今から30年前の昭和37年10月。滑走路1,200メートルの第3種空港として、当時すでにYS11型機による東京への定期便を就航させていた。その後、第4次空港整備5箇年計画により、昭和63年3月に、現在地(岡山市日応寺)に岡山空港(第3種空港、2,000メートル)が誕生した。
さらに、滑走路を500メートル延長し、国際空港化する計画が、第5次空整で採択され、現在延長工事が急ピッチで進められている。空港開設後30年にして、ようやく国際化への道を歩み始めたわけだ。
現在すでに、岡山−ソウル便が週4往復(B−727、月木金土)しており、今後はジャンボジェットの離着陸可能な空港を目指し、中国地方での拠点空港の地位を得たいとされている。 「燃えろ岡山」とは、県のキャッチフレーズだが、まさにその名にふさわしい意気込みだといえよう。
3.チャーター便から国際空港へ
だが、ここまで来るには、決して平坦な道のりではなかった。航空会社からチャーター便の実績を積み上げることによって信頼されることが必須条件であり、そのためには、旅行代理店による旅行企画、旅行客の動員、PRなど、並み大抵ではない努力があったのである。
空港は出来たけれども、就航してくれる会社がないということになったのでは、何のための空港かということになりかねない。特に本県の場合、通常ドル箱になる東京との便を持たないので、路線の確保と収益性の向上に相当の努力を傾けないと、このことが本当になってしまうかも知れない。
岡山空港の国際チャーター便実績は、62年の12便から、63年の59便、平成元年117便、2年116便と着実に実績を積み上げてきた。平成2年度の国別実績は、韓国75便、香港27便、グアム・サイパン12便、中国2便、合計116便となっており、明らかに韓国にターゲットをしぼった、チャーター戦略を取ったことが、定期便実現につながったといえる。
4.東京中心の就航形態
しかし、一見順調に進んできた岡山空港にも、悩みがないわけではない。それは、沖縄と北海道への観光利用は、かなり盛況であるが、東京便の利用が、今ひとつパッとしないことだ。
岡山空港の勢空圏は、西は広島県の福山市から、北は津山市、南は瀬戸大橋を利用しての香川県、さらに東からは大阪空港を利用できないときの、姫路市辺りから来る利用客である。空港駐車場の車のナンバーを丹念に調べたところ、以上の様なことが分かったといわれる。 ところが、岡山から東京へは、新幹線ひかり号を利用すると四時間で到着できるため、十分日帰り可能であり、空港利用になかなか結びつかないことだ。朝一番のひかり号を利用すれば、東京でたっぷり半日は用足しが可能だ。
そこで、県では商工会議所、法人、農協中心に「空港利用促進協議会」を作り、利用促進に取り組んでいる。年会費5,000円で、新幹線のグリーン料金なみで、東京往復ができるというもの。
次に問題なのが、東京優先のダイアになっていることだ。
今、ANAの12月分の東京ダイアを見ると以下のようになっている。
これによれば、東京からの客は、午前9時5分から午後7時25分まで10時 間20分滞在できるのに対して、岡山からは、10時55分から午後5時20分までの6時間35分しか滞在できず、両者の間には、3時間45分の開きがある。 これはおそらく、社員(スチュワーデスやパイロット)の勤務時間のためであろうが、月によって、出発時間が変わるのも、利用者から見ると大きな問題点といえる。
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東京 ↓ 岡山 |
岡山 ↓ 東京 |
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7:45 9:04 11:45 13:05 16:00 17:20 17:20 18:40 |
9:45 10:55 13:45 14:55 18:10 19:20 19:25 20:35 |
