U.木材産業活路開拓ビジョン

このコーナーは平成4年度静岡県木材協同組合連合会「木材産業活路開拓
ビジョン」の一部を転載したものです。全国的にも共通するところが多いと思いま
す。参考にして下さい。
[序]  ここでは今回の活路開拓調査事業の趣旨に即して、業界活性化のビジョンを示した。そのためにまず 、ビジョン構築のための基本的視点を整理した。ビジョン構築の参考に実施したアンケート調査集計結 果、県外先進地事例調査結果、個別企業経営革新フローチャート、当面のプロジェクト試案は、資料編 として「活路開拓ビジョン」の後の資料編に収録したので併せて参考されたい。 1. 共生と循環のネットワークシステム         −木材産業のシステム化−  木材産業のシステム化のためには、同産業の特殊性を配慮して、原木供給から末端消費に至る全プロ セスを生態系に基づくシステム化としてまず把握する必要がある。  見方を代えれば、最近主流となりつつある「共生と循環の企業経営」に最も適合し、かつ業界内部か ら構築しうる産業が木材産業であるといえよう。いま素材の生産から流通・加工を経て末端エンドユー ザーにいたる過程を、単純化して示せば以下の図のようになる。

この中に、素材生産業者、製材(部材)加工業者、住宅資材販売業者など、場合によっては住宅生産 部門への進出を含んで、いわゆる木材産業が地場産業として地域に形成・集積されている。 「はじめに」でも述べたように、今回の調査研究事業は、静岡県下の木材産業の活路を、以下のキー ワードに照らして、ビジョンとして明確にしようというものであった。 
<キーワード>
 ところで、この様に木材産業を以下のような流通経路に応じてシステム化しようという場合、それは 直ちに共同 (協業) 化のみによって達成する必要があると考える必要はない。  元々木材は、古来より住宅建築資材にしろ、家具、玩具、調度品の類にしろ、また仏像などの芸術品 の素材としてであれ、それを最終製品に仕上げる各種の担い手 (大工、職方、芸術家など) と、地域的 な緩やかなネットワーク (システム) を形成しながら有効活用されてきたのであったから、木材産業の 個別の企業 (事業所) が、この地域的なネットワークの中で、自らの事業所の経営革新を図って行くこ とが原則であり、まずもって取り組まなければならない課題と心致すべきであろう。  従ってそのような個別企業での取り組みを支援する共同化方策がもし可能ならば、共同化事業として 、活路開拓ビジョンにおいても取り上げられるべきでだろう。この「活路開拓ビジョン」も基本的には そのような考え方に立っており、この点は以下「3.個別企業のシステム化・ネットワーク化」で特に 強調している。今回のビジョン策定に当たっては、県内において以下に事例をあげた住宅生産や、その ほか住宅部材の技術開発、エクステリア商品の開発など様々な先進事例を研究し、個別企業での対応を 重視しながら、それを側面支援しうる方途としてのシステム化(共同化)のあり方を検討した。  この共同化ビジョンは、何度も繰り返し述べるように個別企業の活路開拓を前提とするものであるが 、個別企業がこの共同化路線へ、自らの経営戦略を軌道修正しまたは多角化を図る方向で検討すべきで あると考える。その意味で個別企業でのビジョンの必要性と、共同化ビジョンとは表裏一体の関係にあ る。 2. 地域住宅生産の共同化  木材業界にあっては、その取り扱う木材・木製品等が最終的に利用、消費されるのはいくつかの例外 を除いて住宅(建築)生産においてである。木材産業にとってのそこでのユーザーの中心は地域の大工 ・工務店ということになる。大工・工務店の手によって住宅が建設され、地域で暮らす住民の手に引き 渡され、はじめて木材従ってまた住宅の使用価値(商品としての使命)が現実されるのである。  そこでここでは、地域の住宅生産を取り巻く現状を、共同化に即しながら整理した。 (1)地域住宅生産の再編  地域住宅生産の再編は、従来は自然な形でうまく機能してきた、大工・工務店を中心とする地域住宅 生産を単純に復活させることではなく、現代の社会的・技術的条件のもとで自覚的に捉え直し、〈もの〉 としての新しい地域住宅とともに、それを実現しうる〈しくみ〉としての住宅生産システムを構築する ことである。すなわち、地域に適合した住宅の「計画」と「生産」の二つの側面をうまく組み立てた生 産システムとして実現しなければならない。  そのためには次のような考え方の転換が必要である。 @ 全国画一的な住宅の計画から、地域の個別性に適合した住宅の計画へ A 規模の経済、生産の効率を基準とした全国的広域的な住宅生産から、地域の資源・市場に適合した   狭域的な住宅生産へ B住宅単体の計画から、住環境総体の計画、街造りとしての住宅の計画へ C 小規模企業の個別生産体制から、共同化生産体制へ (2) 各地の住宅生産の動き  従来の大工・工務店による住宅生産システムに替わる新しい住宅生産システムは、次の二つに大別で きる。  @ 地域の工務店が組織を拡大し内部機能の強化を図った「大規模化システム」(地域ビルダー) A 地域の住宅生産に関わる工務店、材木店、製材所、原木生産者、設計事務所などが緩やかに結び付   いた「協同化システム」   (3)協同化組織のバリエーション  協同化には、次の6種類のバリエーションが認められる。 @ 森林組合による組織化 A 森林組合による組織化(第3セクター方式) B 材木店による組織化 C 大工・工務店の協同化(農村部) D 大工・工務店の協同化(都市部) E 設計事務所による組織化 (4)協同化システムの離陸と定着 @ 協同化システムを構成する主体は、新たなシステムと既に成立している地域ネットワークとの間で   発生する摩擦を恐れるために消極的になりやすい。 A システム構成主体間のコミュニケーション不足、対象とする市場の需要とシステムの規模・構成の 不適合などシステムとしての立ち上がり段階でのいくつかの困難な点を抱えている。 Bこのような状況を克服できず、なかなかシステムとして離陸できないでいるものも多いが、努力・工 夫を積み重ねることによって、システムの継続性・安定性を確保し、場合によっては規模拡大・組織  強化を図っているケースもある。 C 離陸期から安定期にはいる場合、既存の自律的活動と協同化システムとしての活動に、適切な棲みわ   けが出来るよう十分配慮しておく必要がある。そうでないと構成要素主体の活動がどちらつかずにな   るという自己矛盾を抱えることになる。 D 中心的な推進役を努めてきたのは、大工・工務店以外の木材業など後方連関効果による事業内容の量 的拡大が期待できる主体が多い。 E 大工・工務店の場合には、自らの営業領域との競合関係に陥り易いので、特に注意が必要である F 例えば学校、集会所、橋等の地域施設、公共住宅、新しい都市的な需要層に対応した住宅の建設など  が考えられる。 G またシステムを維持して行くだけの一定の供給量を安定的、かつ、継続的に確保すること、つまり地  域市場の住宅市場とシステムの規模・生産体制のバランスを取ることが必要である。  以上住宅産業における協同化の現状や課題を念頭に置きながら、木材産業独自のネットワーク化・シ ステム化を図ることが必要である。 3 個別企業のシステム化・ネットワーク化 ―― 経営戦略フローチャートによる経営革新 ―― (1)個別経営体経営革新の必要性  木材産業の活路開拓すなわち活性化のためのビジョンは、まず当然のことながら個別経営体の活性化 、すなわち経営革新が前提とならねばならない。  木材産業とりわけその中心となる製材業にあっては、原木の仕入、加工・販売という既存の業態構造 の中に、古くから独自の地域住宅生産の一環としての地域ネットワークを形成してきたところである。 近年では、製材品のプレカットによる高度加工や、流通への進出、また住宅産業への多角化などを通じ て、エンドユーザー化が振興しているところであり、いわば新しい供給構造、需要構造に対応した業界 のシステム化が進行しているとみてよい。  こうした業界構造の変化に対して、まず個別経営体のシステム化を進めることが求められていると言 える。  ここでは「経営戦略フローチャート」(巻末資料参照)を活用した上記経営体の革新のための必要性 を特に強調しておきたい。本活路開拓事業に関連した「ビジョン普及講習会」に於てその必要性や革新 については述べられたとおりであるが、要は川上から川下にいたるエンドユーザー化に対応して、産地 としての特性や、業界が位置する地域的特性を見極めながら、業界を取り巻く環境変化に対応して、わ が社が取りうる対応の重点的かつ総合的なビジョンを明確にし、具体的プランをもってそれを実際に経 営戦略の上に展開することである。  こうした企業経営戦略の展開が業界のシステム化にとって不可欠であり、最適なシステム化の方向性 を決定すると言ってよい。 (2)個別経営体のシステム化支援機能の必要性  そのためには、個別経営体のネットワークの拡大・システム化を支援する機能が不可欠となる。「経 営戦略フローチャート」を確実なものにし、それによって確定された経営戦略を実際に動かす支援機能 である。それは必ずしも公共的なものでなくて良いし、住宅産業、木工機械メーカーなど機械系加工業 、流通業界、リサイクル型産業など異業種分野を取り込んだ任意の支援機能として構成されることが望 ましい。  その際、以下に示す業界のシステム化のための期待されるシステム化のいくつかの方向性に即した形 で、それを念頭に置きながら戦略を構築することが必要である。それは天竜地域のように古くから産地 を形成し、製材品の高度加工を目指す地域と、ある程度地場完結的な需要・供給構造をもつ地域との違 いを考慮しなければならないからである。  一案として各地域の木材協同組合がこのイニシアチブを取り、個別経営体高度化の支援システムを組 織化することが考えられる。 4. 新商品開発、異分野進出、共同化、(物流の)情報化のためのビジョン (1) 木材産業の川上化戦略と新流通、エンドユーザー化  既によく知られているように、わが国の森林には約31億mの森林資源が蓄積されており、これが 後20年足らずで大量伐採期にはいるわけであるが、労働力不足や高齢化など近年の林業を取り巻く厳 しい環境変化の中で、供給の制約条例となっているとこれである。  こうした状況は、国産材の安定供給に取って大きな障害であるばかりでなく、わ が国の国土保全、生態系の維持のとっても深刻な事態である。素材生産業者と素材 の加工・販売部門との連携によって、かかる事態を打開する必要性はとくに大きい と言わねばならない。  既に流域管理、水源かん養の観点から、林野庁、地方自治体などによって、ブラ ンド化、分収育林などの取り組みがなされているところであるが、木材業界にあっ ても、国産材確保、環境保護の観点から、こうした取り組みを積極的に支援すべき である。 (2) 各種経営ノウハウの共同研究・提供による業界支援  木材業界の性格から、その経営ノウハウについては、他の業界にみられない特殊 性に起因する、特殊・専門的な知識が必要とされるところであり、経理、会計、税 務などを除いて一般的な業界知識では対応不可能な要素が強い。  一方、資源の供給制約、海外からの高付加価値製品の流入、他産地の攻勢激化、 地価高騰による戸建て住宅入手難、大工を中心とした各種職方不足など、業界を取 り巻く環境は厳しさの程度を増すばかりであり、これに対して業界支援機能の充実 が求められるところである。  既に地域にあっては、県木材協同組合連合会、各地域木材協同組合に於て、様々 な支援措置が講じられており、これまでの成果の上に立ち、さらにこれを発展させ る形で、経営支援機能を充実させることが必要であると考えられる。  例えば、高齢化した職場における様々な職場改善、大工・工務店支援のあり方、 企画営業力強化など既に業界に蓄積されている様々なノウハウの提供を通じて、業 界の体質強化のために、システム化を講じることは可能であろう。 (3) 木材乾燥化への対応  アンケート調査結果にも見られるように、設計者、施工業者共に、木材の乾燥に よる狂いが大きな問題点としてあげられている。すなわち設計者では59.6%、 施工業者で85.8%が乾燥による狂いを、木材の欠点としてあげ、「どの様にす れば木材の使用が増すか」の問いに対して設計者で35.6%、施工業者で39. 6%が「乾燥材」をあげている。然るに県内において乾燥材への取り組みは未だご く一部の試みを例外として皆無に等しい状況である。  乾燥設備のための初期投資は、比較的安価な資金で足りることを考えれば、早急 に対応が開始されるべきである。 (4) 内装材・外構材の共同生産化と共同受注・協同販売化  アンケート調査結果ですでにみたように、内装材・外構材に対するニーズには大 きいものがあり、今後とも消費者ニーズの多様化から、また施工者・設計者の経営 差別化戦略の必要からも、益々ニーズは大きくなると思われる。            (複数回答集計結果、従って合計は100とならない) 上の表は、資料編のアンケート集計結果から、内装材と外構材の両者について、 消費者、設計者、施工業者がそれぞれどのような見方をしているかを収録したもの である。消費者で、10人のうち約7人が内装材への、3人が外構材へのニーズを もっていることがわかる。  アンケート調査結果では、外構材に対して内装材がややニーズが大きいという結 果が出たが、これからはアウトドア木製品へのニーズも大きくなるものと思われる。 既にこうした業態を取り込んでいる事例も見られるところであり、内装材からエク ステリアへという経営戦略を明確にしている事例も見られる。  こうした方向性は、点としてのエクテリア製品の一品開発販売から、面としての 外部空間の提案や公共空間の提案へと発展しよう。これは街作りの方向性と合致す るものである。  ただこうした方向性は木材業界としては、未だ事例が少なく、公的機関の支援を 得て商品化に成功したとしても、これを事業化するとなると、一般的に考えてもリ スクが大きいと考えざるを得ない。  今後は販売を前提とした新製品開発を企画すべきであり、そのためには個別経営 体にとってのリスクが大きいことから、共同開発、共同受注、共同生産、共同販売 の組織造りが不可欠であろう。これには試験研究機関のバックアップ体勢が不可欠 であり、イニシャルコストも莫大になることから、相当大規模なプロジェクトとし て構想されることが必要である。 (5) 木材産業の川下化(エンドユーザー化)戦略  静岡県内において、製材業界がイニシアチブを取り、木材産業の川下化(エンド ユーザー化)戦略を一つのシステムとして展開した代表的なケースは、田子浦港木 材協同組合の、富士ひのきの家(もくもくタウンフジ)である。  いま、富士ひのきの家生産供給体制図を示すと次ページのようになる。 既に紹介した、ハウ・メッセ京都(「産業社会の新しい潮流」のコーナーの「滅び 行く産業の復権」の章を参照)のシステムと比較すると、後者が第3セクターであ る点を除けば、システムはほぼ同じであると言ってよい。  ハウ・メッセ京都と同様に、もくもくタウンフジも立ち上がったばかりであり、 今後の展開を見守る必要がある。  この他にも、個別企業が住宅生産や、エクステリア製品の供給などの形を取って、 エンドユーザー化の展開を行ったケースが散見される。中には住宅生産の全国的展 開を遂げているケースもある。  ここでは、このような住宅生産が木材業界の唯一の方向性であるとは断定できな いが、一つの主要なトレンドであると考えてよいであろう。  これをシステムとして構築して行くためには、「共同化システムの離陸と定着」 で指摘されている点を、良くクリアすることが不可欠である。 (6) 新しい住生活・住文化の提案  既に住宅生産に離陸した個別企業、システムとしての実験の中には、明らかに新 しい内装業の開発や素材の活用によって、明らかに「モノ」としての住宅づくりか ら脱皮して、「住生活」「住文化」の提案にまで経営コンセプトを展開しているケ ースがある。  ライフスタイルや住文化には地域的性格が濃厚であり、これは大手ハウスメーカ ーでは基本的に対応できないものである。ハウ・メッセ京都が立ち上がり得た要因 の一つに、京の町家風住宅の供給という明確な目標があったことはまちがいない。  「高齢化社会」「安全」「快適」「自然」「安らぎ」といった木造住宅の対応を 明確にし、潜在的ユーザーに積極的に働きかけて行くことが求められる。  おうおうにして見られる、地域住宅生産の営業企画提案力を、こうした業務を専 門的に行う新会社により補い、大工・工務店などの支援機能として補完するシステ ム化が考えられて良い。 (7) リサイクル型生産の構築  既に木材のリサイクルとしては、チップのパルプへのリサイクル、燃料(オガラ イト)や肥料への転換などの形で有効利活用が図られてきたところである。これら は市場に乗りにくい処から、既に県内においても共同事業として行われてきたと思 われるが、今後木材価格の高騰が避けられず、また環境問題もあるところから、よ り積極的に進める必要性があろう。建築廃材として廃棄される段階での木材の有効 利活用も検討されるべきではないか。  現在輸入ラワン材が杉中木材に対して倍の価格になっていると言われており、ラ ワンの杉による代替を進めるなどして、熱帯雨林への対応を図ることも必要であろ う。 (8) 土地利用の効率化検討・支援  木材業界にあっては、他の業種と同様に、いわゆる「町工場」的な形で、居住・ 商業・業務系土地利用と混在し、都市の整合性のある土地利用の観点からみた場合、 その有効な土地利用への転換が求められていることは否定できない事実である。 個別経営体の実情から他の用途へ土地利用が転換される場合、できるだけこうし た角度から整合性のある望ましい土地利用が行われる必要がある。  木材産業に対する以上提案した様々な支援機能を受け入れる受け皿として、土地 利用のあり方を検討し、個別経営体の方針とも合致する形で検討していくことが求 められるであろう。  一案を示せば、住居・業務空間をもつ施設の中に、木材業界支援機能を取り込ん だセンターを建設し、併せて地域振興に拠点とするようなグランドデザインを描い てみることである。木材業界をできるだけエンドユーザー化の方向で再構築する場 合、その拠点となるのは市街地に位置させることであろう。  以上、木材産業活路開拓のための処方箋を描いたが、なをこれらの構想を実際に 動かし、かつ戦略的に展開するための戦略的プロジェクトを別途重点的に検討した。  この検討結果については、「<WOODピア>グリーン・プラザ」構想として、 資料編の最後に収録したので、参考にされたい。 (1)基本的な考え方については、瀬川久志「都市と農村の新しい関係」、静岡大学 法経短期大学部『法経論集』(第69・70号)参照 (2) 秋山哲一「地域住宅生産の協同化とハウ・メッセ京都の特徴」『住宅と木材』 (1992年10月号)によって整理した。「協同化」に関しては「共」を用いる べきと考えられるが、論文では「協」が用いられているためそのまま「協同化」と した。 IV.<WOODピア>        グリーン・プラザ構想 1. 構想の組織概要  ここでは、アンケート調査結果、聞き取り調査、先進知事例調査、他地域事例、 本県の地域特性などを参考にしながら、<WOODピア>グリーン・プラザ構想を 検討した。  まず、組織概要を示すと以下のようである。 2. 構想の内容 (1) 構想の趣旨 @ 木は温かく、木がなくなると誰もが(アンケート調査結果では76%の人が) ゆとりがなくなると思っている。また82%の人が、これからも木の家に住みたい と願っている  A 家造りの相談は、70%の人が大工・工務店に、材木屋(製材工場含む)へは 11%しかない。そこで大工・工務店と連携し、人々にこれからも素晴らしい木の 家に住んでもらうことを考える。 B 別のアンケート調査結果では、現状での木材産業のイメージはブラウン(43 %でトップ)だが、グリーンで迫ると蘇る(32%)という。 木の良さを環境保 護と結び付けながらグリーン・イメージ化し、業界立て直しを図ればまさに一石二 鳥である。 (2) WOODピアの構成  WOODピアの構成は図の通りだが、地域への貢献が大きいものとして構成され ている場合には、公的支援の援助を受けた第3セクターが妥当だが、民間レベルの みの立ち上がりも可能である  ここで、決定的に重要なのが、グリーン・プラザを担うプロフェッショナル。徹 底した企画・立案・営業能力を具備したプロを欠いては、新事業は成功しない。 大手住宅メーカー、建築資材販売会社からの優秀な人材の登用が不可欠となろう。 (3) グリーン・プラザの事業 @ 建材の利点(設計者へのアンケートで「標準化されている」が53%でトップ) は、裏を返せば欠点(「規格品しかない」が46%でこれまたトップ)、木にも欠 点はあるがまだまだ売り込める。木をどんどん売り込むことをメインに企画すべき である。 A 例えば難燃処理部材は設計者では、内装、外装ともに「必要」が「不必要」を 上回っており、内装で57%対43%、外装で61%対39%となっている。施工 者でみても同じ傾向である。 ここ数年来、県木連でも産学協同で新商品開発を進めてきた。せっかく開発した 物をタンスの奥に眠らせておくのはもったいない。 難燃処理部材を開発し、設計者、施工者と組んで顧客にどんどん売り込むべきだ。 B 施工者が建主との打ち合せで面倒なのが見積り(60%)とパース(30%)。 大工・工務店では圧倒的に見積り(64%)。コンピュータ活用によりこれら支援 事業を大々的に展開する。 C すでにみたように、乾燥材をどんどん供給する。 D いざ家に住んでみると不満続出というのが実情である。設計者で、「雨漏り」 21%(32%―施工者)、「白蟻対策」22%(47%)、「建具の立付け」2 6%(20%)等など。地味ではあるがこうした苦情に応えるために、アフターサ ービスの強化を図る。フリーダイヤルで「住まいの相談室」を設置する。 E今後は木製外構部材にも需要は拡大する。消費者で28%、設計者で59%、 施工者で52%。有力エクステリア商品を開発し、豊かなアウトドアライフを提案 する。 F 施工者の建主に対するセールスポイントで、「現場見学」が44%と有力。生 活の臭いのしない無味乾燥な建物を見学させても顧客には役立たない。家を立てた らその人に「現場見学モニター」になってもらい、見学者とお茶を飲みながら、家 造りを語り合う。 (4) WOODピアと地域社会 @ 木を提供し、家造りを通じて地域の街造りについても提案する。都市計画や住 宅政策をもつ地方自治体を見方に引き入れ、PRに一役かってもらう Aまた、様々な地域デザイン(コンサルタント)に対する提案を業務として行う ことも可能。 (1) 日本木青連活路開拓委員会「新時代における木材産業の進むべき方向に関す る調査報告」 (平成5年3月)16ページ参照